唾液減少による口腔乾燥症について




お口の中は常に『唾液』によって守られています。
『唾液』には、たくさんの働きがあり、この唾液が減少すると、細菌感染などの様々な症状が起こりやすくなります。






唾液の働き


●歯や粘膜の保護作用

(お口の中に傷ができないように守ります)

●殺菌・抗菌作用

(細菌の繁殖を防ぎます)

●洗浄作用

(食べかすや細菌を洗い流します)

●消化作用

(食べ物を消化する働きがあります)

●味覚作用

(おいしく感じられます)

●潤滑作用

(食べ物を飲み込みやすくまとめます)

●再石灰化作用

(歯を強化し、虫歯を防ぐ働きがあります)

●緩衝作用

(お口の中の環境を、酸性から中性にもどします)





唾液分泌量は1日約1.0~1.5L
常に唾液は飲み込む、出すを繰り返し循環しています。






口腔乾燥症(ドライマウス)は、このような方に多くみられます。



● 加齢によるもの(高齢の方)
● 全身疾患のある方、薬の副作用によるもの
(糖尿病の方、シェーグレン症候群の方や、アレルギー性鼻炎の薬の副作用など)
● ストレス、体調不良
● 口呼吸の方や、常に唇や口がポカンと開いている方など。




口腔乾燥症(ドライマウス)の症状


● 虫歯・歯周病になりやすい
● 口がネバネバする
● 口臭が強い
● 舌がヒリヒリして痛い
● 乾いた食べ物が食べにくい
● 入れ歯がこすれて痛い
● 食べ物が美味しくない
● 発音障害    

● 口が渇いて寝付けない  など。



予防法として、


★ よく噛んで、お食事をする。
★ 水分をとる。
★ 保湿剤を使う。
★ すっぱい物を想像する。
★ 唾液腺マッサージをする。(刺激を加えると、年齢関係なく分泌量は同じと言われています)


80歳で20本の歯を正しく残して、なんでも食べられる生活を

歯を失うのは、加齢変化ではなく、歯科疾患が原因です。日本は歯を大切にする文化が根付いているとは言い難く、知らない間に歯科疾患が進行し、抜歯に至っているケースが非常に多いため、それを加齢にすり替えて誤解されているのが問題だと感じています。歯を大切にする文化が根付いている国は、8020達成率が非常に高く、同時に生活の質(QOL)も高いといえます。日本の患者様に気づいていただきたい内容を記していきます。