暑い季節に要注意!スポーツドリンクの虫歯リスク

歯のエナメル質はpH5.5以下で溶け始める

皆さんご存じの通り、歯が溶けて穴が開いてしまった状態を虫歯と言います。

歯が溶ける=歯の構成成分であるミネラル(リンやカルシウム)が溶け出した状態です。

歯の表面にあるエナメル質はpH5.5以下、歯の根元や内側を構成する象牙質はpH6.0~6.2で溶けてしまいます。


糖分摂取で口腔内は酸性に傾く

通常、私たちの口腔内は6.8~7.0の中性に保たれています。

しかし糖分を含んだ飲食物を口にすると、口腔内細菌の影響でお口の中は酸性に傾きます。

およそ5分でエナメル質が溶けだすpH5.5を下回ります


スポーツドリンクの虫歯リスク

スポーツドリンク500mlあたりには、20~34g(角砂糖5~8個分相当)の糖分が含まれます。

またスポーツドリンクそのものがpH3.5と、歯を溶かすには十分なpHの低さです。


糖分過多に要注意

一見カラダに良さそうなスポーツドリンクですが、飲み過ぎには注意が必要です。

そもそも、1日の中で食事以外で摂取してもよい糖分は総カロリーの5%程度と言われ、平均的な大人の場合25g程度となります。

スポーツドリンク1本で1日の摂取量を満たしてしまうことになり、糖分過多になる可能性が非常に高いのです。


水分補給には「水」を

これから暑い季節になると、熱中症が心配ですよね。

運動をしないときの熱中症対策には、コップ1杯の水をこまめに摂取することが効果的と言われています。

スポーツドリンクは、激しい運動をする時や風邪をひいて脱水が心配な時など、場面を選んで飲むようにしてくださいね。




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歯を失うのは、加齢変化ではなく、歯科疾患が原因です。日本は歯を大切にする文化が根付いているとは言い難く、知らない間に歯科疾患が進行し、抜歯に至っているケースが非常に多いため、それを加齢にすり替えて誤解されているのが問題だと感じています。歯を大切にする文化が根付いている国は、8020達成率が非常に高く、同時に生活の質(QOL)も高いといえます。日本の患者様に気づいていただきたい内容を記していきます。